こんにちは、マッシーです。
このブログでは育児の大変さと楽しさをみんなで共感し、将来を少しでも豊にできるような情報を発信していきます。
1.日本とアメリカの読み聞かせの違い
日本の場合ですと、親は子どもを膝の上に座らせたり、横に座らせたりして、子どもの顔をときどきのぞき込んで目を合わせながら、おだやかな雰囲気のなかで絵本を読んでいくのが普通です。
これと比較して、アメリカの親子の読み聞かせはどうかというと、わかりやすく言えば「勉強」です。絵本は、言葉を学ぶための教材、読み聞かせは、英語の読み書きができるようになるための勉強として考えています。
日本人の親子は、読み聞かせをするときに「やりとり」はせずに、親は絵本文章をひたすら読んでいき、子どもはそれを黙って聞いている、どちらも何かを問いかけたり、口を挟んだりといったことがほとんどありません。
アメリカの親子の読み聞かせは、とにかく親子間のやりとりを盛んに行います。問いかけをされながら絵本を読むことが習慣になっていることで、「思考力」「伝える力」が身に付きやすくなるといわれています。
ただ日本式の読み聞かせが、アメリカ式の読み聞かせと比較して劣っているわけでは、ありません。子どもが静かに読み聞かせに耳を傾けて、物語に没入することで、親子で親密な時間を共有すること、精神的なつながりを深めることも、大切なことになります。
2.ダイアロジック・リーディングとは?
アメリカでは、1970年代から、「絵本に読み聞かせ時における親子のやりとり」に関する研究が進められています。
主に「言語習得」という観点から検証されており、その流れのなかで、ホワイトハース博士らによって、家庭、保育所、幼稚園で「このように読めばいいですよ」と推奨されている読み方、それが「ダイアロジック・リーディング」になります。
子どもがどのように本を読み、内容を解釈すればいいのかを学べる読み聞かせがダイアロジック・リーディングだと言えます。
3.ダイアロジック・リーディングの基本的なやりとり
ダイアロジック・リーディングにおける「対話」の基本的な流れは、「PEER」と呼ばれる以下のシーケンス(順序)に沿って行われます。
①【P:促進 Prompt】
本について何かを発言するように「促進する」
質問をする、発言を促す
例)「どんな動物がいるかな?」
②【E:評価 Evaluate】
子どもの発言に対して「評価する」
相槌をうつ、褒めるなど(否定はNG)
例)「よくわかったね。そう、ウサギさんがいるね!」
③【E:拡張 Expand】
子どもの発言を「拡張する」
リフレーズをする、情報を足す、質問を重ねる、話題を広げるなど
例)「そう。英語だとラビット(リフレーズ)」
例)「耳の長いウサギさんだね(情報を促す)」
例)「ウサギさんだけかな?(質問を重ねる)」
例)「ウサギさんこの前、見たね(話題を広げる)」
④【R:反復 Repeat】
子どもの理解を促進させるために「反復する」
大事な単語を繰り返す、話を要約するなど
例)「そうだね。ウサギさんとカメさんがいるね!」
※これは、あくまでもガイドラインにすぎませんので、厳密にこのとおりにやりとりしなければいけない、というものではありません。
※1ページに1回というペースを無理に守る必要もありません。
4.ダイアロジック・リーディングの4大原則
①読み聞かせ時における発言の主導権を少しずつ子どもに譲ること
②発言したくなる雰囲気をつくるために、子どもの言葉をしっかり受け止めること
③プラスアルファの情報をさりげなく足していくこと
④子どもが楽しむことを大前提に「お勉強」の雰囲気を完全に消すこと
5.ダイアロジック・リーディングで伸ばせる5つの能力
①「見る力」
脳に入る情報が劇的に増えるようになります。
その能力は子どもの観察力・注意力の向上に役立ち、ひいては感受性(雑多な視覚情報のなかから意味のある情報を抽出する力)を高めることにつながります。
②「聞く力」
人の話を深く聞けるようになります。
読み聞かせを習慣化して、できれば毎日行うことで「聞く力」を伸ばすことができます。
他の4つの能力とは、異なり問いかけというものは、必要がありません。
③「知識・語彙力」
深い思考や適切な判断ができるようになります。
積極的に子どもの発話を促すことで、子どもたちの知識や語彙力の「現在地」を、よりきめ細かく把握できるようになります。
自分で考えること、自分の意見を言うことができるようになります。
④「考える力」
論理と感性が鍛えられます。
そもそも考える力は、いままで子どもが考えたことがなかったようなことを半ば強制的に考えさせることによってはじめて鍛えられます。
考える力のなかでも、特に重要なのが「論理的思考力(ロジカルシンキング)」です。
小さな子どもに論理的思考力を学んでもらうときに大人が意識
すべきは「因果関係」です。「物事には因果関係がある」こと自体を少しずつ学んでもらうことから「考える力」のトレーニングがはじまります。
物事をロジカルに考えられるようになると、絵本を人の気持ちを想像したり、ストーリーを自分の立場に置き換えて読んだりする能力も鍛えられます。
⑤「伝える力」
多様性社会を生き抜く必須スキル!
絵本によって「伝える力」を鍛えておけば、子どもが自分で文字を書けるようになった段階で、その能力はそのまま「書く力」へと変換されますし、大人になってからのプレゼン力やディペート能力の土台になります。
読み聞かせのときに問いかけをして、答えを引き出すこと、さらに、それに伴って子どもの自発的な発話を促すこと。
そうすることで、子どもの「伝える力」が伸びる兆しを見逃さず、可能性をより伸ばしてあげることができます。
6.ダイアロジック・リーディングを成功させる5つのコツ
①褒めることと励ますこと
「何がよくできたのか」をできるだけ具体的な言葉にして伝えてあげること。
②必要に応じて情報をつけ足し、子どもを助ける
重要なのが、対話時におけるプラスアルファの情報のつけ足しです。
③子どもの興味にしたがう
子どもが何に興味を示しているかを観察し、それに従うようにします。
④楽しむこと
いくら効果的な読み聞かせ方だとはいっても、子どもが楽しめないような読み方をしてしまっては、意味がありません。
読み聞かせが「お勉強」的な雰囲気にならないようにしましょう。
⑤問いかけのかわりにコメントを入れてもいい
問いかけとコメントを臨機応変に使い分け、うまくコメントという形で「お手本」を見せながら、手助けをしていきましょう。